
美容院を決めるとき、パーマやカラーをしたいとき等 値段も気になるところです。
私の勤めている美容室では シャンプー ブロー カット で¥4000円(消費税抜き)です。
上記の「カット」 と 「カラー」を組み合わせると ¥8000円(消費税抜き)です。
(地域によっては全然違うと思います)
お客様からしたら「高い」と思う人もいるかもしれません。
しかし私たち美容師サイドからみると「高い」と思っていません。
むしろもうちょっと料金を頂いてもいいのではと、思っているくらいです。
なぜそのようなギャップが生じているのか、美容師側の事情を含めながらご説明します。
美容室の存亡にかかわっています。
美容室というのは意外とコストがかかっています。
①パーマ剤やカラー剤 等のお薬代
②ガス・電気・エアコン 等 光熱費
③土地代 例えばイオンの中やビルの中、大通りの路面店等
④従業員に支払う給料
大体これくらいでしょうか?
1カ月のお店の収入からこれらが差し引かれます。
複数人で働いているお店であれば、多くのお客様を担当できるので回転率があがりますので利益が出やすいです。
しかし、一人で経営している美容室であればすべて自分でやらなければいけません。
一人で経営しているということはすべて自分でやらなければいけないので、オープンしてからクローズまでの時間で担当できるお客様の数が限られてきます。
つまり1日に担当できるお客様の数が限られている分、一人当たりから多くお金を頂かなければお店が成り立たないのです。
一人で経営されている個人店の「料金」が割りと高めなのはこういった背景があります。
会社から一か月の売り上げ目標が提示されている
チェーン店などではお店の売り上げ目標が本部から提示されています。
企業というのは成長していかないと存続できません。
つまりお店(美容室)に求められる目標売上金額も毎年上がっていきます。
目標売上はお店の大きさによって違ってきますのでここでは例を挙げて説明します。
もし一か月の売り上げ目標金額が¥1000万円でカット料金は¥4000のお店だとします。
(年中無休店でスタッフ人数は20人 カットできるスタイリストが10人、カットができないアシスタント10人と仮定します)
そうすると 1000万 ÷ 30日 で 一日当たりの 売り上げ目標金額がおよそ ¥33万4000円 になります。
朝10時から開店で夜19時までの営業時間ですと 9時間で ¥33万4000円 をやらなければいけません。
スタイリスト10人でお客様を担当・カットをして、アシスタント10人でサポート(カラーとかシャンプー)をします。
ではもっと具体的に 一日の目標金額 ¥33万4000円 を9時間でやるには1時間あたり
¥33万4000 ÷ 9 = 37110
つまり1時間で ¥37110 の金額をお客様から頂かなければいけません。
カット料金が¥4000ですので スタイリスト10人全員が1時間カットをするといただける金額です。
恐ろしいのはこれを9時間ぶっ通しでやらなければいけないということです。
9時間ぶっ通しでやるのはとても体力的に大変ですし、10人全員が一日通してお客様が途切れないなんてことはあり得ません。
ですからカット料金¥4000のほかにカラーやパーマをしていただいてなんとか¥33万4000円に達するというイメージになります。
ですので会社から課せられている目標売上金額に対して、美容師側からしたら料金は「安い」と思っているのです。
いただく料金は美容師のこだわり、技術に対する自信の表れでもある
最近ですと大手美容室や都内有名美容室で修行をつみ、独立してお店を出す人が増えました。
自分の個性をお客様に発信して行きたい とおもって独立しています。
もちろん自分の感性を発信するために技術に自信が必要です。
その他にも、カラーやパーマのお薬にも徹底してこだわる人がおおいです。
例えば「漢方系のカラー剤」・「徹底したダメージレスなシアバター配合カラー剤」等 多数あります。
こだわればこだわる分だけ髪に良いものですからもちろんコストもかかります。
「俺は、お客様にダメージを抑えた薬剤でツヤのあるお手入れしやすいヘアを提供していくんだ!」
等の思いやこだわりを発信していくためにはそれに見合った料金も必要になってくるのです。
ですから料金にはそのオーナーやスタイリストのこだわりや自信が表れています。
美容師目線から見た料金とお客様目線から見た料金の考え方は違うと思います。
ですが、美容師はお客様に満足していただくために日々技術や接客を学んで努力をしています。
「料金は高くても高いと感じさせない満足のいく施術」
私たちは常にこれを考えています。
全てのお客様にそうおもってもらえるようにこれからも努力をしていきます。