
大学生や専門学生の女生徒は、卒業式の時にほとんどの人が袴を着ています。
袴を着るときにどんな物をそろえればいいかご存知ですか??
袴を着る場合、成人式で着た振袖等があれば、使いまわしができるので出費を抑えることもできます。
今回は袴を着る前に揃えるものと、防寒対策・そして肌着やヒートテックについて解説していきます。
目次
【卒業式 袴を着るときに揃えるものは?】
卒業式の袴で揃える必要があるものは次の通りです。
小振袖か本振袖
振袖を選ぶ方もいらっしゃいますが、袖丈が2尺の小振袖を合わせる方が最近は多いです。
袴
長襦袢
自分の振袖なら、振袖に合わせた長襦袢を用意します。半襟が縫いつけられている物が必要です。
レンタルの小振袖なら袴専用の丈の短いものを一緒に借りられるでしょう。
伊達衿(重ね衿)
着物の衿に重ねる衿です。最近はビーズやレース付きのものもあります。
半幅帯
袴の下に締めて、袴の上端から1~3cm位見えるように着付けます。
浴衣の時締める帯です。振袖と色が合っていればそれを使ってもいいです。
伊達締め
帯を締める前の準備に使う収縮性のある太めの帯状の道具です。
腰ひもと同じで結ぶものですが、腰ひもは「ヒモ」というだけあって細いです。
ですから結んだときに凹凸ができたり、ズレができることがあります。
伊達締めを使うことでそれらを防ぐことができます。
マジックテープがついているものもあります。
襟芯(えりしん)
長襦袢の半衿のところに差し込みます。衿をシワのないように綺麗に整えるためのものです。
襟芯を使用せず、着物を着た場合、襟元がだんだん崩れてきます。
コーリンベルト
衿元を綺麗に見せる留め具のついた収縮性のある紐状の道具です。
前板
帯結びの仕上げに使い、お腹に締めた帯をピシッとみせます。
腰紐(こしひも)
着物、襦袢(じゅばん)には、着るときに使うヒモがついていません。
ですから着物、襦袢を固定するために腰ひもを使います。
着付けに欠かせない腰紐は、補整に1本、長襦袢に2本、着物に2本あれば充分でしょう。
腰紐の素材の種類はいろいろありますが、お勧めはモスリン素材です。
ウール素材で滑りにくくなっていますので、着付けをするのに最適な素材です。
素材に迷ったらモスリン素材がおすすめです。
普通体型の方は、購入時に長さを気にする必要はありません。
ちょっとふくよかな方は、長尺腰紐を用意したほうがいいかもしれません。
万が一ですが、いざ着付けの時に長さが足りなくなる可能性があります。
長尺腰紐であれば長さが足りなくなる心配がなくなります。
分からないときは呉服店の方に聞いてみましょう。
肌襦袢(はだじゅばん)
和装の下着です。
襦袢とは、着物の下に着るものです。
最近では襦袢の下に、さらに薄手の肌着を着用する事が多くなっています。
一般的に上から 着物 → 襦袢 → 肌襦袢(肌着)のように、3枚着用します。
基本手に襦袢、肌襦袢は着物の下に着用していますので、見えることはありません。
衿元(えりもと)の一部だけが、見えている状態です。
襦袢(じゅばん)または長襦袢(ながじゅばん)と言います。
足袋
履物では草履、ブーツがありますが、草履を使用するときには足袋を履きます。
足袋のイメージは白が一般的だと思いますが中には カラー足袋などもございます。
袴のトータルコーディネートによってはカラー足袋もアリだと思います。 一般的には白足袋となります。
足袋だけ別に購入する場合はストレッチ素材のものがおすすめです。
タオル
体型補正のため持ってくるよう言われると思います。3、4枚必要です。
ウエストが細かったり胸が大きい方は多めに持っていくと安心です。
コーリンベルトは使わないの?
コーリンベルトなどは着付けをする時の補助道具です。
美容院にお願いする場合などはこれらを使わず腰紐だけで着付けしてもらえます。
私の友人の美容師さんは、着付けをするときに「コーリンベルトは使わない」と言っていました。
(腰紐の方がコーリンベルト等よりも蒸れにくいしおすすめです。)
着付けをしてくれる人に一度確認してみると良いと思います。
【成人式の時の物を使いまわす場合の注意点】
長襦袢
成人式で使った振袖を着るなら問題ありません。同じものを使いましょう。
ですが、卒業式用に袴セットを用意する場合は中振袖ですので、サイズの合う長襦袢を新しく用意する必要があります。
半巾帯
振袖で使用した帯と、袴の帯は異なり半巾帯を使います。
この半巾帯のサイズは浴衣帯と同じですが、袴帯と比べると腰回りがゴワゴワしています。
浴衣帯を使い回ししようとすると、袴を引っ掛ける蝶々結び部分が大きくなってしまいます。
そうすると仕上がりで、背中の膨らみが大きくなる可能性があります。
背中のふくらみが大きくなると野暮ったくなってしまいます。
できれば新たに袴帯を入手した方が良いと思います。
ネットやリサイクルショップで安く手に入りますよ。
半襟をつける場合
袴セットの場合は長襦袢についてくることが多いです。
ですが、自分で選ぶ場合は着付けの前に、あらかじめ長襦袢につけておく必要があります。
また、新たに選ぶ場合の半襟は、礼装としては塩瀬の白の無地が基本です。
色物は卒業式のようなフォーマルな場には相応しくないという見解もあるのでご注意下さい。
白であれば無難で良いと思います。
【袴の肌着】
ワンピースタイプ・肌襦袢と裾除け どちらにすべき?
ずばり、肌襦袢と裾除けの組み合わせがおすすめです。
ワンピースタイプは着た時にもし長かった場合、ウエストの位置で調節する必要があります。
ウエストで調節した結果、お腹周りが膨らみ、窮屈な思いをするかもしれません。
裾よけと肌襦袢が分かれている場合は、 裾よけの上(ウエストの位置にくる方の布)を折り返して、裾がちょうどよい長さにする事ができます。
袴を着る時、 着物と長襦袢は脛の真ん中あたりに裾がくるように着ます。
袴をつけた時、袴の裾から着物が見えないようにするためです。
ですから着物と長襦袢のおはしょりが多くなり、お腹周りに結構生地が巻き付くことになります。
それを止める紐の数が多くなるので、2つに分かれている方が良いです。
【胸が大きい場合】
着物の理想のバランスは寸胴(ずんどう)です。
ですから胸があまり目立たないほうがいいのです。
ブラジャーは、洋服を着た時にきれいに見せるための物です。
もし、胸が大きい場合はブラジャーを着けないほうがよいでしょう。
カップ付きの下着も、洋服を着た時にきれいに見せるための物なので、できればやめた方が良いと思います。
ブラジャーを付ける場合は和装用のブラジャーをつかいましょう。
これは胸元を平らにするようにできています。
これを着用するときれいに着物が着れます。
ちなみに、着付けしてもらう時に洋装用のブラジャーを外して、和装用のブラジャーを付けるのは恥ずかしい方もいると思います。
ですから自宅から和装用のブラジャーを付けていき、その上からボタン付きのブラウスや洋服で美容院に向かいましょう。
【袴の防寒対策は何が必要? ヒートテックがおすすめ?】
羽織りもので防寒対策
袴の場合は素材がポリエステルで薄手の生地です。3月卒業式シーズンでも寒い地域だと防寒対策が必要になります。
寒い場所は足元と衣紋(えもん:首の襟があいているところ)、腕という意見があります。
胴のあたりは補正をしていたり、帯があったりするので意外と平気な人が多いです。
外に出るときは大判のストールとかファーの襟巻でいいと思います。
特にウール素材は暖かくて良いでしょう。
袴の場合は衣紋をあまりあけずにきるので、着物に合う感じのマフラーでも大丈夫です。
洋服用のポンチョやショールを羽織るのもアリですね。
アームウォーマー・手袋などは着脱が簡単なのでオススメです。
肌着による防寒対策
下半身はレギンスを履くという方法があります。
袴の下なら余程走らない限り見えないでしょう。持っていらっしゃるのを穿くといいと思います。
10分丈なら、少し引っ張りあげて穿いたほうが安心です。
でも階段の上り下りだけは見えやすいかもしれません。少々気を付けましょう。
ちなみにレギンスを履くときに、おなかの方まで履きこまないことをオススメします。
腰ひもを締める位置より上まで履きこんでしまうと、お手洗いに行けなくなる可能性がありますのでご注意ください。
ヒートテックを着る場合は
襟元からヒートテックが見えないように、前後ろを逆に着るというワザもあるようです。
着物を着てしまえば中は見えませんから、それでもいいかもしれませんね。
ちなみに
ヒートテックは素材がツルツルしています。
着ると長襦袢がツルツル滑りやすく、着物の襟元が崩れやすくなるので、綿素材の下着がおすすめという意見もあります。
ヒートテックの素材がそこまで影響を及ぼすことはないと思いますが、気になる方は綿素材が良いでしょう。
足元の防寒対策
草履よりもブーツが暖かい
タイツではなく厚手のレギンス、暖かい素材のハイソックスなどを履くと良いと思います。
レギンスにはヒートテックのものもありますので、心強いですね。
草履を履く場合
寒がりの方には重ね履きをオススメします。
足袋の下に足袋ソックスを履くとサイズが合わなくなり、こはぜ(足袋についている金具)が留まらない場合がある様です。
金具が留まっても今度は草履が履けない!なんてこともありえますので、事前に一度試しておかれるといいと思います。
何事も直前のドタバタ準備は厳禁ですね・・・。
その他
使い捨てカイロがあると大変便利です。
ですが注意点もあります。
インナーの背中やお腹にカイロを貼るのは要注意です。
帯や袴で固定される場所にカイロがあると、もし熱くなっても取ることができません。
帯周りは布がたくさん重なる場所ですので、意外とあったかいです。
羽織るものの方が体温調節しやすいのでオススメです。
寒がりさんは、カイロも一応用意しておきましょう。
【卒業式】袴を着るときに揃えるもの・防寒対策やヒートテック まとめ
- 揃える物が多数ありますので、直前にバタつかないように前もって準備しておきましょう。
- 体型よっても必要なものが変わってきます。(和装ブラジャーや長尺腰ひも等)
- 防寒対策は、着物の下はみえませんので、しっかり暖かいものを着ていきましょう。
卒業式のマナー・服装・送辞・祝辞などのまとめ記事はコチラです → 【卒業式】マナー・服装・送辞・祝辞などの解説まとめ